キャスティング
本作品で主演を務めるのは「アニと僕の夫婦喧嘩」(2008年公開)で、絶妙なコンビネーションを魅せた八神蓮・滝口幸広。
前作で見せた二人の魅力とはまた違った顔を見せてくれる。
そして、周りを固めるのは今話題の若手俳優たち。
高校生チームには真山明大・森陽太・池田竜治・福永マリカが、そして高橋優太・浜尾京介・佐藤永典の豪華競演が実現。
さらに、でんでん・森下能幸・田中要次・鳥羽潤・鈴木省吾・田中隆三らの実力派俳優が、作品に深みを持たせている。
クランクインするまで
本作品は当初、2009年7月末にクランクインする予定だった。
ところが、思いのほか脚本作りに難航。
「良い作品にしたい。」「観てくれる人を飽きさせない展開が欲しい。」と、毎日毎夜意見交換がされ、数十回に及ぶ脚本の変更、そして打ち合わせが繰り返されたためだ。
脚本が遅れることにより、準備期間は短くなる。
それでも、「妥協したくない」という気持ちから、当初は一度仕切り直そうという意見さえも挙がっていた。
しかし、「クランクインを遅らせて撮影期間が短くなったとしてもこの作品を形にしたい。」という、監督をはじめ本作品スタッフ・そしてキャスティングされている俳優たちの熱い想いが集結した。
その団結力が、短い準備期間でのクランクインを実現させた。
クランクイン
早朝から深夜まで続く撮影は、ハードなものだったと言えるだろう。
また本作品では「夜」のシーンが多いため、日が暮れてからの撮影が勝負だった。
その上、撮影期間が台風上陸と重なり、天候に左右されることもあったがキャスト・スタッフは体力の限界まで撮影を続け、作品の完成を目指した。
そんな想いは天候すらも動かすこととなる。
撮影最終日。
天気予報……降水確率100%
撮影すべきシーンは、野外。
もうこれ以上撮影期間は延ばせない。
絶対にここまでに撮りきらなくてはいけない。
そんな条件の中、撮影はスタートした。
いつ降り出すかもわからない、雨雲が空を覆う。
撮影隊は、確実にそして手早く、撮影すべきシーンを撮り終えていく。
夕方・・・
それでもまだ雨は降らない。
撮影隊は、雨雲に不安を抱きながらも、撮影を続ける。
そして、AM4:30
撮影最後のシーン。
「カット!」監督の大きな声が響く。
「チェック!」撮影されたばかりの映像がチェックされる。
「・・・・・」静寂。
キャスト・スタッフが息を呑んで見守る。
やがて、
「OK!!!」監督の声が響いたその瞬間、その声を待っていたかのように、空を覆っていた雨雲から雷が鳴り響き、大粒の雨が降り出したのだった。
こうして、撮影期間は奇跡の瞬間を迎え、無事終了したのだった。
白い月
本作品のキーワードとなるのは、『月』
そして、本作品の主題歌は、
城(キズキ)南海(ミナミ)の『白い月』。
すでにリリースされていた楽曲が、監督たっての希望で主題歌となって、この作品を引き立てている。
城南海ののびやかな歌声で綴られる詩はこの物語の最後を締めるのに相応しいと言えるだろう。