強固な意志をもって、どんな困難にもくじけない様を表す言葉がある。
―不撓不屈―
未曾有の大災害となった3.11大震災。
救出、避難支援、原発事故対応と、まさに不撓不屈でこの国難に挑んだのが自衛隊だった。
不撓不屈で任務を完遂する力。過酷な訓練を重ねているからこそ彼らにはそれがある。
中でも過酷な訓練の象徴とされるのが“レンジャー訓練”である。
本作ではこのレンジャー訓練のひとつ、陸上自衛隊の幹部レンジャー訓練にカメラを入れた。
延べ91日に渡る訓練の密着ドキュメントである。
この訓練の果てに彼ら訓練学生が手にするものが、ダイヤモンドをモチーフとしたレンジャー徽章。
そして万物で最も硬いこのダイヤモンドが象徴しているのが他ならぬ“不撓不屈”である。
心身に苛烈な負荷をかけ、戦場さながらの様相を呈して続いていく訓練のクライマックス。
人間がその限界において発する魂の律動は、見る者を心の奥底から揺さぶることだろう。
本作は、全国から集った訓練志願者たちが、まさに不撓不屈のダイヤモンドへと研ぎ澄まされていく姿を克明に映し出した、奇跡のドキュメンタリーなのである。
監督は『長髪大怪獣 ゲハラ』『MM9』等で物語の中の自衛隊を描いてきた俊英・田口清隆。
本作では自ら撮影者として訓練に密着。
本物の陸上自衛隊、しかもレンジャー訓練だからこその揺るぎない彼らの肉体と精神、そして誇りを見事にカメラに収めている。