本当に人を愛する力は、
どんな障害も乗り越えてゆけるはず・・・ 
それが、たとえ叔父と姪であろうと・・・ 

第91回直木賞を受賞した短篇集「恋文・私の叔父さん」に所収されている、連城三紀彦の切実で禁忌さえ乗り越えていく愛が描かれている「私の叔父さん」。 今作は、監督細野辰興が、助監督時代より原作に惚れ込み、「本当の愛の持つ優しさを伝えたい」と、俳優高橋克典に声を掛け映画化が実現した。
主演田原構治を演じるのは「竜二 Forever」「誘拐ラプソディ」「特命係長 只野仁」の高橋克典。 20代のカメラマン助手と40代のカメラマンの二役を、自身の心の変化とともに見事に演じきり新境地を開いている。
その禁忌の相手役、姪の夕季子には「受験のシンデレラ」(モナコ国際映画祭最優秀主演女優賞)「ハードライフ」「99年の愛(TBS)」の寺島咲。 大林宣彦監督の秘蔵っ子と称される演技力は今作でも遺憾なく発揮されている。
構治と夕季子の恋愛模様を18年後に察する夕季子の娘夕美子は、九州朝日放送の人気番組「ドォーモ」の新人オーディションで、1000人から選ばれた新人、松本望。 構治、夕季子、夕美子の3人の19年にも渡る真実の愛が繊細に描かれている。
構治の師匠であるカメラマン大久保には長谷川初範。その厳しい愛のムチが時には構治を追い込んでいく。
結果的に構治の恋敵として寡黙な男布美雄を演じるのは鶴見辰吾。カメラが趣味という布美雄が撮った夕季子はどのよう表情を見せるのか?
夕季子の母、構治の姉郁代を演じたのは、ベテラン松原智恵子。温和な表情が家族を包んでゆく。
監督は、現代社会に骨太の作品を発表し続ける細野辰興。高橋克典とは「竜二Forever」以来となるが、 今作はその当時から細野監督が、高橋克典に持ちかけていたもので、具現化したことによって2人の前作にも優る真剣勝負がスクリーンにも描かれている。
叔父と姪。大叔父と姪孫。19年にも渡る、禁忌ゆえに一層、切ない本物の愛。 原作に対する監督、出演者たちの永年の想いが、骨太で繊細な純愛映画を誕生させた。
Copylight(C) 私の叔父さん製作委員会 All Rights Reserved.